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2018年1月23日火曜日

雪止瓦の効能 ~雪と屋根の関係~



 2018年、1月の大寒波で東京でも20センチの積雪があったそうですが、都市では雪に対する備えができていないので大変だと思います。



 私は北海道で過ごしていたことがあるので、「雪との戦い」「雪との共存」については、ある程度理解しているつもりですが、なかなか簡単ではありません。




 というのも、北海道なんかでは、雪の量が多いので、屋根につもった雪は早く落としてしまうに限るし、道路に積もった雪は、早く除雪するに限ります。



 ところが、ルーフネクストのある篠山なんかでは、屋根に積もった雪が解けて落ちてくると、下のものに被害が出るので、




 

 写真にあるような「雪止瓦」をつかって、一気に屋根から落ちないようにしています。




 兵庫県や、京都府のより北部のほうへいくと、この雪止瓦を入れる段数を変えて、雪の落ち具合をコントロールしている、ということになります。



 一般的には、関西だと六甲山より南は、雪止瓦がなくてもまあなんとかなる地域、北側は雪止必須、という感じでしょうか。


 もちろん地域の特性によっても、必要度合いは変わってきます。






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 ちなみに雪の重さは、10センチ積もった場合、1㎡あたり30キロ計算です。


 1m積もると、300キロ計算ですから、そりゃ、落ちてくると下のものを破壊しますね。



雪止めの瓦や金具をいかに上手く使うのが大切かわかると思います。






2017年7月13日木曜日

【屋根の疑問】 瓦の屋根と板金の屋根はどちらがいいの? 






 近年になって増えてきた「板金屋根仕上げ」の一般住宅ですが、





 「瓦の屋根と板金(金属)屋根のどちらがいいの?」




という素朴な質問を、これからマイホームを検討なさっている方からよく尋ねられます。




 どちらが良いか?



というと正直これは難しくて、それぞれの屋根材には



 良い面と悪い面



があるからです。



 というわけで、屋根専門の私たちからみたそれぞれの特徴をお伝えしたいと思います。








<瓦屋根・陶器瓦>


 良い面


■  断熱性能に優れている。なので、防火には昔から瓦。


■  塗装が不要。少しだけ変化はあるものの、同じ色が最後まで続く(~50年)


■  遮音性能が高く、雨音がほとんど気にならない。



 悪い面


■  価格が高めで、高級品扱い


■  重量が重く、壁の設計が強くなくてはならない


■  踏んだら割れることがある(ただし、その部分だけ差し替えられる)


■  屋根に角度(勾配)が必要。









<板金屋根・金属>



良い面


■  重量が軽いので、壁の設計なども含めて安価


■  比較的施工が早く、旧屋根材のカバー工事なども可能


■  角度のない屋根(緩勾配)に施工できる。




悪い面


■  定期的に塗装をする必要がある(10年~)


■  軽さゆえに、台風で飛ばされることがある(屋根ごとの場合も)


■  穴があいた場合はすべての面をやり直す必要がある。


■  断熱性能が低く、夏場に暑い。また雨音などの跳ね返りが気になる。








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 上記のように、瓦屋根と板金屋根では、特徴が大きく真逆のため、



「建て主の希望や用途にぴったりあった形で選ぶ」



のが良いと思います。







 たとえば、雪国の地方の場合は、屋根にかかる荷重を考え、また家の中の熱で雪が溶けやすいように「板金屋根」が選ばれることが多いです。



 あるいは、ローコスト住宅などの、「とにかく安い家がいい!」という場合は、柱や壁を細くして材料をコストカットできるために、金属屋根の軽さがメリットになるでしょう。




 逆に、日本建築や高級住宅などでは、その後の塗装などが不要で、夏の暑さにも強い瓦屋根が選ばれることが多いです。



 ハウスメーカーのカタログや説明をよく見てみると、標準仕様では「板金屋根やスレート屋根」、オプション仕様では「瓦屋根」の取り扱いになっているのは、そういう意味です。



 また、強風地域では「金属屋根が飛ぶ」という被害が多々出ていますし、寒冷地では「陶器瓦が凍結する」という被害が出る場合もあります。




 このあたりは、「住んでいる地域の特性」もしっかり考慮する必要があるでしょう。







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 新築ではなく、中古住宅や、今住んでいるおうちのリフォームでは、気をつけるべきポイントは、とてもシンプルです。






■ポイント1■  今屋根に乗っている屋根材と同じものを選ぶのが基本!!!



 瓦が乗っている場合は瓦、金属の場合は金属が基本の考え方。もともと、その重量で設計がなされているはずなので、


 金属→瓦 にすると屋根が重くなってしまい


 瓦→金属 にすると、夏が暑かったり雨音が気になったりする


ことになってしまいます。






■ポイント2■  スレート屋根の補修は、金属葺き替えか金属カバー工法で


 スレート屋根からスレート屋根へのそのままの葺き替えは、実はあまりおすすめしません。ご希望であればそれでもかまいませんが、石綿(アスベスト)問題以降、スレート屋根材からアスベストがなくなったことで強度が落ちていますので、



 新しい屋根材のほうが古い屋根材より強度がない



という事実があるからです。(古いカタログと比較すればわかるのですが、営業マンさんは今のカタログしか持っていないので、一般の方は知りません)



 なので、スレート屋根の葺き替えは、重量のことを考えると金属屋根での葺き替えか、カバーをお勧めします。






■ポイント3■  瓦屋根から重量を軽くしたい場合は、瓦の軽量工法がベスト!!




 古い家なので、もともとは瓦屋根なんだけれど、屋根を軽くしたら地震に強くなるのでは?と考える方も多いと思います。



 専門的には、耐震性能は壁量によって決定されるので、


「屋根を軽くしても壁に問題があれば、倒壊する」


という結論が出ています。


 なので、葺き替えの前に耐震診断を受けてください(^^;;;   (苦笑)



 しかし、そういう心配よりも、「どうせ葺き替えの時期なので、おなじ工事をするなら軽くなるものなの?」という質問ならば、お任せください。




 今の瓦屋根よりも、車1~2台分は軽くできる瓦もあります!




とご回答します。




 これには、いろいろなしくみが関係するのですが、屋根にのっている土を下ろして軽くできる場合や、瓦そのものを軽量に交換することもできます。



 詳しいことは、ルーフネクストまでお尋ねくだされば、できる限りご説明申し上げます。





 以上、瓦屋根と板金・金属屋根の比較でした!