こんにちは。
ふだん、ルーフネクストでは屋根瓦(陶器でできた瓦)を主に扱っているのですが、
瓦のロケットストーブ(瓦のキッチンストーブ)
というものの性能がとても高いらしい!と聞いてさっそく作ってみることにしました。
瓦のストーブといっても、わざわざ新品の瓦を改造して何かを作るというものではなく、
「古瓦や廃瓦を利用して、かまどのように煮炊きができるキッチンストーブをつくろう!」
という試みです。
この瓦製ストーブは、いろいろなところで注目されているので、ぜひとも試してみたかったのです。
==========
この瓦のロケットストーブ(もしくはキッチンストーブ)の考案者は、島根の岡野さんという方らしいです。
島根県は「石州瓦」といって、瓦の産地で、弊社も実は、島根の瓦メーカーの直代理店からスタートしている経緯があるので、石州瓦にはなじみがあります。
これまで、
焚き火小屋の備忘録さんのサイト
http://nature21.exblog.jp/14417211/
や、
山の子さんのサイト
http://tharuno2.exblog.jp/tags/%E7%93%A6%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%96/
で作り方が公開されているので、その原型を基にした瓦ストーブが各地で作られてきた実績があります。
そのほか、上記から派生して、
OLIVEさんのサイト
https://sites.google.com/site/olivesoce/dan-wo-toru/haizai-no-kawara-sutobu
などでも作り方が示されています。
==========
この廃瓦のストーブは、災害などでいろいろなライフラインが使えないときに、「廃瓦あるいは被災瓦と土ぐらいで実用に耐えるかまどができる」ということで、サバイバル用途でも役に立つと考えられています。
というわけで、今回はとある公共施設さんと協力して、「果たして瓦のロケットストーブはできるのか?」という実験をしてみたわけで。
今回、弊社が瓦卸し業ということもあり、すべてのパーツを瓦でそろえてみました!
オリジナルでは、
①「ブロックなどで土台を作る」
とか
②「後ろ半分の台を、レンガや土で作る」
といった工程があるのですが、
土台にフラットな平板瓦、レンガ部に半割りののし瓦
を使うことで、すべて瓦の乾式工法で作ることに成功しました(笑)
最初だったので、かなり荒くたい積み方になりましたが、機能的にはまったく問題なし!!!
あっという間にお鍋の水が沸騰するというすばらしい構造です。
今回は、試験運用だったので、すきまだらけの積み方でしたが、農家のお庭に常設する場合などは、粘土でスキマを埋めたほうがいいかもしれません。
しかし、最初こそすきまから煙が出ますが、完全燃焼をはじめると煙もでなくなるので、荒くたい造りでもOKだと思います。
まっすぐに立ち上る炎が、ロケットストーブの名称にふさわしく、
熱による上昇気流に乗って、炎が完全燃焼に近い状態で燃えて
ゆく所以です。
さすがは瓦の断熱性能で、中心部以外の瓦に触れても
全然熱くない!!
のがすごいところ。
燃料は少量のたきぎでしたが、いい具合に燃えてるでしょ?
==========
さて、この瓦のロケットストーブですが、古瓦がそこらへんにあればいいですが、実際には
「瓦が入手できない!」
という方のためにご相談に乗ろうと思います。
■ 平板瓦(ベース) 9枚
■ 和型桟瓦(本体)50枚
■ ブロック代わりのし瓦15枚
が、最小構成だと思います。
本体や「のし」をもう少し増やすと、パワーのあるストーブができますが、べーシックな炉だと、上記枚数だけで作れることがわかりました。
費用は、新品瓦だと定価ベースで
■ 定価500円の平板瓦×9=4500円
■ 定価420円の和型桟瓦×50=21000円
■ 定価440円ののし瓦×15=6600円
なので、合計32100円ということになります。
長く使いたい方には「焼成温度が高くて、耐久性の高い瓦」や、「釉薬成分が熱で溶け出さない瓦」など安全性についても気になることが多いと思いますので、そのあたりもアドバイスできるかな、と思います。
お問い合わせは ルーフネクストまで。 roofnext@gmail.com
0 件のコメント:
コメントを投稿