2016年10月28日金曜日

石綿が入っていないスレート屋根が大変なことに! ~まるでミルフィーユな屋根の手当てをします~


 まずは衝撃的な、穴があいた屋根材の写真から!!


 先日からお客さんと綿密な打ち合わせをしている物件ですが、スレート屋根材が劣化してボロボロになっています。



 新築されてから十年程度の物件なのですが、屋根材に問題があって、既にボロボロ・・・。


 葺き替えをするということで、施工店さんと一緒に対策に乗り出している最中です。







  全体像はこんな感じ。


 すでに劣化が屋根全体に広がっていて、塗装などできない状態です。


 特に、屋根材のはじっこの部分が、ミルフィーユやパイ生地のように層になってはがれていることがわかります。






 これが拡大ミルフィーユ!!!




 住んでおられる方からすれば、気が気でないところだと思います。ご安心ください。もうすぐ新しい屋根材に変わりますので・・・。




~~~~~~~~~



 さて、ルーフネクストは屋根の専門家なので、「どうしてこんなことになってしまったのか」をきちんとお話したいと思います。


 それは




<1> スレート屋根材を使っている




という状況と




<2> 石綿が入らなくなったので




という2つの事情で、こうなってしまったわけですね。



 スレート屋根材というのは、本物と偽物?があります!!!




 本物は、天然スレート(玄昌石)というなのですが、人工のスレートは、


 セメント


で出来ています。


 なんと明治時代に発明されたこのスレートは、天然スレートに似せて、



「セメントと石綿(アスベスト)などの繊維質を均一に伸ばして整形」


したもので、人工スレート・石綿スレートなどと呼ばれました。



 これが、日本の住宅にはたくさん採用されているのですが、



 つい最近の2005年に、アスベスト問題が発覚


して2006年に石綿法により、使用ができなくなったわけです。



 なので、石綿スレート屋根材からは、石綿・アスベストが入らない製法に切り替わったのです。




 さて、石綿が使えないので、繊維質を補わなければセメントは単純にパキパキ割れてしまうのですが、



 各社は主に、紙の繊維



を採用しているようです。



 いわば、紙スレート屋根材と呼べるものなのですが、印象が悪く弱そうで湿気そうなので、メーカは絶対にそんな名前では呼びません(苦笑)





~~~~~~~~~~ 


 さて、ここで大事なことを言っておきますね。


 石綿は肺ガンなどを引き起こすので、 人体に悪い影響があるとして使わなくなったのですが、もともとは鉱物(石)の繊維なので



 めちゃくちゃ強かった



のです。そのため、セメントを薄く整形しても、持ちこたえていました。



 ところが、石綿を中に入れなくなったので、ヘロヘロの繊維しか使えないため、




 すべてのセメント系屋根材の強度は、めちゃくちゃ落ちた



のです。これ大事。



 



  ↑これはA社の製品で、セメント同士の結合がうまくいかず剥がれが起きていますが、B社の製品でも折り曲げ強度の低下などが起きています。



 簡単にまとめれば、



 すべてのセメント系屋根材は、石綿が抜けてから製品強度は悪くなった



ということです。




 でも、現在でもたくさんの屋根に「スレート系・セメント系屋根材」が乗っています。



 なぜなら、その答えは・・・



 賢明なみなさんなら、もうお分かりですね!



 ・・・そう!



 安いから!!!!



 陶器瓦なんかよりはるかに安いから!!!!



です(^^





 なので、2000年以前の築20年を超えた石綿スレート屋根のおうちは、意外と持ちこたえるので塗装ができますが、



 石綿がなくなってからのスレート屋根のおうちは、ごにょごにょごにょ。。。



になってます。



 ぜひ、信頼できる業者の方に、相談してくださいね!きちんとその辺のことを教えてくださると思いますよ!




 



0 件のコメント:

コメントを投稿